2021年4月24日 ホスピス在宅ケア研究会やまなし
4月24日に、山梨県文学館で「ホスピス在宅ケア研究会やまなし」の
総会を開催しました。
感染対策を万全にいたしました。
県外の会員の方は涙を飲んで、不参加となりました。
参加の皆様、久しぶりの再会でキャーキヤーと騒ぎたかったですが、じっと我慢。静かに微笑み合いました。
会員の曽根さんの特別講演をいただきました。
曽根さんはこの会の始めの頃からの会員です。
曽根さんは仏教の僧侶で、今は東京で大正大学の仏教科の教授です。
そのご縁で、私も4年間大正大学院生に人間学を教えました。
曽根さんは浄土宗です。山梨市にお寺があります。2年前までお父様が住職として頑張っていらっしゃいました。そのお父様が、病を得て、大きな病院で診てもらい入院しましたが、病が重篤になりました。
そのステージが、一体どのあたりなのか、十分な説明がなく家族の苦しみは増しました。本人も体の苦しみに呻き続けたということでした。
どうも、終末期ではないかと思われ、家で看取ることを決心しました。
遠い場所でしたが、ご縁があり私もお手伝いすることになりました。
一目診て、いのちの瀬戸際だと思われ、ご家族に覚悟する様に伝えました。
病院で禁止されていた水分も、少しなら飲んで良い、と説明すると、本人が「ビールを飲みたい」と!
「いいでしょう、スプーンで口に運んでください」
まだ注文がありました。サッポロ黒ラベル!(笑)
みんなもベッドを囲んで乾杯しました。
ご本人もスプーンで一口飲めました。
美味しそうなお顔をしました。
皆さんは泣き笑いでした。
お薬が効いて、苦しみは緩和でき、久しぶりの安眠になったそうです。
危篤になった時、私の宗教的な学びは浅いものですが、江戸時代までは確かにあった、臨終行儀をなさるように薦めました。まだ息があるうちにお経をあげるのです。
ベッドを囲んだ身内全員が仏教の専門家でもあるのですからできるはずです。
孫さんも立派にお役を果たしました。
小さい孫さんは始めは事態がわからず?興奮気味でしたが、念仏をみんなで唱えるうちに大きな涙をぼろぼろこぼしました。
皆さんの御念仏は、重層に響き、旅立つ人を幾重にも包むかのようでした。
阿弥陀様の来迎により安らかに旅立ったと門外漢の私さえ、感じる厳かな看取りの時でした。
病院ではこれは出来なかったと思います。
曽根さん一家の、病院での辛さや後悔はまだ癒やされてはいないようでした。
ただ、私たちに語ってくださることで少しは軽くなったかと感じました。
尊い時間を共有させていただきました。
この会は今年度もいのちの学びをじっくりゆっくり進めていきます。
どうぞ、繋がってください、皆様のことをずっと想っています!
と伝えました。