お手紙

有意義な毎日を過ごすことに集中

山梨日日新聞 2011年12月29日掲載より
先日、在宅ホスピス医である内藤いづみ先生の講演を聴いた。講演では人間の尊厳について述べられた。それは、「自分で考える」「自分で選ぶ」「結果を受け入れて、その結果を愛する」の三つである。
内藤先生は末期患者の人間の尊厳について強調され、患者の命が尽きるまで、患者の意思を尊重している。


「命を大切にする」とよく言われる。しかし、いくら大切にしても、命には終わりが訪れる。「自分はまだ死なない」と思っていても、交通事故で突然の死が訪れる人もいる。だから、「命を大切にする」ということは、「命には限りがあるということを自覚し、今を有意義に過ごす」ことだと思う。そのためには内藤先生かおっしゃった人間の尊厳を心に留めて行動し、「今死んでも悔いはない」と思えるような生き方をすることが、心豊かな最期を迎えることにつながるのではないか。
高校卒業を控えた今、将来への不安は積もる一方である。しかし、一日一日の積み重ねで将来が決まる。不安ばかり抱かず、一日一日を有意義に過ごすことに意識を集中したい。港の結果としてどんな将来が訪れても、私はその結果を受け入れ、幸せを見いだすことができるだろう。
(甲斐清和高3年・雨宮浩太郎さん)