畑には春が来ている。
郊外を通る時、たまたま知り合いが畑で働いているのを見つけた。
「お元気ですか?」と声をかけた。
「ええ、ボツボツ。」はにかんだ笑顔を見せたその人は80歳近い。
しかし、畑では現役のプロフェッショナル。
腰に吊るした道具もかっこいい。
これをどうぞ、と手渡された、菜の花のブーケ。
茹でると美味しいです、と言われたが、花を愛でたい。
蕾を少し湯がいた。
新型肺炎の対応の波は私のところのような小さな診療所にも
来ている。普段はサロンみたいなムードもある外来が
まったりから、しっかりへの変貌も必要な毎日に疲れも積み重なる。
患者さんも自分たちも守らなければならない毎日。
菜の花の春の苦さに、人心地ついた。