エッセイ

冬の息抜き 梨農園にて

寒さが少し和らいだ冬の朝。

洋梨
今年は下半期、ふたつの密着取材があり、何だかハードスケジュールが続いた。
学びの深い看取りも続いた。
夫との二人の静かな休日もなかった気がした。
私はこの3年ほど、富士川町での洋なし農園のことが気になっていた。
梨園
葡萄、柿、桃、すもも、さくらんぼの素晴らしい作り手はたくさん知っていたけれど、洋なし農園さんとは縁がなかった。
夫も子供たちも洋なし好き。
一度は実際の農園を見たかった。
この朝、夫を誘って出掛けた。
梨狩りは終わっていたが販売はできるという。
農園のリーダーは都会から移住の女性。
お話もできた。
看板
減農薬で肥料や消毒もしなければスケジュールに追われることなく、土と樹を健康に丈夫になるように支えていけば何とか人手が多くなくても運営できる~と言う。
追い詰められず食べていける農業なら子供にも譲れる。
山梨のあちこちでは農作放棄地が増えている現状にひとつの希望の選択肢であるように感じた。
丈夫な健やかないのちを支える、という仕事には魅力があふれる。
先入観の払拭や新しい視点や学習も必要だけれど、突破口にもなるかもしれない。
内藤いづみ
ここは富士川町のあきやま観光農園。
ラ・フランスは狩りとってからしばらく追熟が必要なフルーツ。
待つことを楽しむフルーツ。
梨園