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自然の力想定できない

110322_02.jpg2011年3月14日 毎日新聞 山梨版より抜粋
対談で映画と原発への思いを語る映画監督の纐纈(はなぶさ)さん(左)とホスピス医の内藤さん。東京電力福島第1原発1号機での爆発事故を受け、纐纈さんは「自然の力を人は想定できない。身の丈で大切なものは何なのか考えてほしい」と訴えた。


福島原発爆発事故「祝の島」上映会で纐纈(はなぶさ)監督
 住民を二分した原発計画反対運動が繰り広げられている瀬戸内海の「祝島」(山口県上関町)の住民の生活を記録したドキュメンタリー映画「祝の島」の上映会が13日、北杜市長坂町長坂上条の「長坂コミュニティホール」で開かれた。上映の合間には、監督の纐纈あやさん(36)と、甲府市の在宅ホスピスケア専門医の内藤いづみさん(54)による対談が行われた。
東京電力福島第1原発1号機での爆発事故を受け、纐纈さんは「自然の力を人は想定できない。身の丈で大切なものは何なのか考えてほしい」と訴えた。
 この映画は、纐纈さんが山梨県内に滞在していた08年2~7月に構想を練った初監督作品。105分の映画には、激しいデモなど近代技術の結晶とされる原発の存在が住民生活に落とす影と、対照的に穏やかな島の伝統的な生活が、丹念に記録されている。
 上映会と対談には約200入が参加。纐纈さんは「こういう時期の上映会にためらいもあったが、皆さんと一緒に思いをはせる機会を大切にしたい」とあいさつ。綴繩さんを訪ね、島を訪問した経験がある内藤さんと、真水が得にくく厳しい環境の島で、自然をありのままに受け入れる島の人たちの生き方を紹介した。
 纐纈さんは「自然のすべてを受け入れた人たちが、人の作る原発だけは受け入れない」と島民たちの姿を伝え、「昨日電話してみたら、島の人でさえ実際に起きた大震災や原発の現実に放心状態になっていた」と、震災後の島の様子を伝えた。
内藤さんも「今度の試練を荒廃に向かう一歩にしてはいけない。元気な私たちが絶望した人たちを励まさなくてはいけない。自分たちの現場で考えよう」と訴えた。