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「老いを健やかに」

(2017年12月7日北陸中日新聞能登より)
 甲府市のふじ内科クリニック院長として、在宅ホスピスケアを続ける内藤いづみさんが六日、志賀町文化ホールで「老いを健やかに過ごすヒント」と題して講演した。


 内藤さんは「在宅は涙と笑いが交錯する場所」として、在宅患者やその家族を巡る数々のエピソードを写真を交えて披露。
がん患者が家で過ごすための最大の条件として、「私たちのような専門家がいて、苦しみがない薬を加減してもらいながら、自分らしく安定して過ごせること」を挙げた。

 三十年前に勤務していた大病院で、上司から「重病患者に病気の重さを告げてはいけない」と言われた過去にも言及。
その時が自らのホスピスケアの原点とし、「医者が患者さんのつらさと向き合うことがなければ、患者さんは人生最後の難関を乗り越えられない。
相手を見ながら真実を告げることを医療は考えないといけない」と強調した。

 講演は、町内の高齢者らが教養を磨く「町羽衣大学」(町など主催)の一環で、二百人が聴講した。町富来活性化センターでもあった。