2016年2月7日 伊勢「いのちの響きに寄り添って」
2016年2月7日、伊勢にて、小林啓子さんとのコラボ講演の開催報告です。
伊勢参り。
伊勢の地域医療を担う方々とご縁ができて、ほぼ毎年伺っている。
何と私は幸運な人間だろう。
今回は歌姫小林啓子さんをお連れして、テーマはつなぐいのちとその響き。
啓子さんとは永六輔さんがつないで下さった。
前夜祭は啓子さんのミニコンサート。
深く響くいのちの声にみんなうっとりした。
伊勢には北海道、岩手、名古屋、岡山からも参加者が集まってくださった。
今回は早朝参拝ができて、夜から朝へ変わる空気の中、伊勢神宮の厳しくも心が澄み渡るエネルギーに触れさせていただいた。
講演も和やかに終始した。
いのちはゆっくりと、育つ。必ずその時がある。生まれる時も、逝く時も本来は自分が選んでいる。
いせ在宅診療クリニックの会報より
在宅ホスピス医の内藤いづみ先生と、歌手の小林啓子さんの、語りと唄には、笑ったり泣いたり、上質の時間をいただきました。
鎮静など症状を取ることが目的になって、病を得た人の気持ちをしっかり聴き取っていないのではと緩和ケアの方向に懸念をしめされました。
生活を丸ごと体験するなかで、死に逝く人が、家族に何を残そうとしているか知るには、待つ時間、醸成する関係が大切だと話されました。
宿題にスローライフの曼荼羅図も頂きました。歌声が心を揺さぶる現場も、小林さんのギターと唄で体験しました。
はかない「いのちの響き」は慌てていたら聞き逃します。スローに一人の「いのち」を育ましょう。在宅の目標は、無理に笑わせることでもなく、ピースサインの写真でもありません。存分に生きる姿は、私達医療者の想像を超えてゆきます。
参加者から
以前先生が教えてくれえた柏木先生の言葉、私達が主流になることはないけれど、源流でありたい、その言葉を噛みしめました。
そこに集う人々は、主流でないが故にユニークであると、称されることが多いと思います。
でもそのユニークさが、人々の心に潤いをもたらし、人々が持つ自分だけの小川を、自分の力で大河にも変えられるのであれば、その種まきは決して無駄ではなく、有効な力となるのだと、そう強く感じたからです。
私はもっと偉大でユニークの達人となれるよう、先生のご講和から生まれる芽を育てていきたいと思います。
生きている時に極楽と感じる暮らし。
専門的な知識を持つ職業に従事する者だけが出来るのではなく、人を想い、支えるご家族や友人達であるからこそ出来ることがその最期の時に流れる時間を極楽に変える力がある。
そして、これまでの活き方の尊さを踏まえ、「今」の大事さを知る、大切に過ごすということをこれまでの多くのお看取りの体験からお話頂きました。
ホッとする時間が少なくなっている昨今。
私たちは今までの体験を踏まえながらも誰でも良いわけではない自分の暮らしを活きいきと過ごすことを忘れずにいたいと感じました。
伊勢という歴史ある街であるが故に更に御心に振れるお話であったのかもしれません。