お手紙

桜座で思う

長女の紹介で内藤先生にお世話になって早2年。おかげ様にて毎日が快調で食事もおいしく睡眠もじゅうぶんで、平穏な日々を過ごさせて頂き感謝いたしております。
ホスピス学校の案内も有難く、先生方のお話は新しい刺激となって生きる勇気を頂いております。

過日の桜座、初めての土の香と新緑の樹木の会場は非常に印象深く、永さん、田中泯さん、渋谷さん、4名の先生方のお話はあっという間で時を忘れました。

「誕生日は産んでくれた母に感謝する日」
という永さんのお話が特に強く残って、母を思い起こすよすがとなっております。

戦前戦中戦後の時代を土や汗にまみれて懸命に働いてきた母。
その中で見せていた笑顔を思い出します。
働きづめの中での自宅出産、休む間もなく家事に農作業5人の子育て、病身の親の介護の明け暮れ、そうした中でも庭に咲く折々の花を玄関に活けていた姿が懐かしく思い出されます。

もうすぐ旧盆です。どんなに多忙でも欠かしたことのない墓地の草取り、夕飯のほうとうの後、寸暇を惜しんで庭で盆踊りの練習。
母と共に過ごしたひとときがたまらなくいとおしく思い出は尽きません。

父の付き添いで方々の病院でお世話になり、最期は家族と畳の上での生活を甲府の弟の家族に見守られ、1ヶ月苦しむこともなく静かに眠るような旅立ちとなりました。

33年前、70歳で逝った母を思う時、しみじみと自分の幸せを思います。
戦争を知らないふたりの娘、その家族に支えられ励まされ穏やかな日々を送っています。

就寝前、内藤先生のお話を思い出します。

「自分が恵まれていることを5つ指折り数え感謝する」

「今日もいい日 ありがとう」

こうして一日を締めくくっている現在、どうかこんな日が積み重ねていかれますように。
合掌

(70代 女性より)