人間らしい最期を
(2013年7月5日 静岡ローカル紙より)
支える仲間づくりを提言
在宅ホスピス医の内藤いづみさんを講師に迎えた記念講演会(㈲みずき主催)が6月29日、富士官市民文化会館小ホールで開かれた。
内藤さんは末期がん患者らが人聞らしく最期を迎えるために心要な在宅ホスピスの在り方について語り、それを支える仲間づくりの必要性を説いた。内藤さんは山梨県内に緩和ケア診療所「ふじ内科クリニック」を開業し、在宅ホスピス医(夜でも容態が変化したら患者宅を訪問し、痛みや不安を緩和する)として奮闘する傍ら、在宅ホスピスについての理解を深めてもらおうと全国各地で講演し、その普及に努めている。
かつて日本では産声を聞くのも、息を引き取る場所も家で、そこには人生や家族のそれぞれのドラマがあったが1970年代以降、出産も最期も病院が主流となり、死に際には延命措置の管につながれ、孤独な死を迎える人も増えていると指摘。
医療費の削減などの要請から、国が強引に在宅医療を推し進める方向性にあるが、患者の人間としての尊厳を大切にした医療体制にはまだまだほど遠い状況にあるとし、「患者の意志を尊重(自宅で最期を迎える)し、その選択を支えるための医師(開業医など)、看護師、ケアマネジャー、ヘルパー、家族らの支え合いが大切だとアピールした。
内藤さんは研修医時代の患者との思い出、それを原点にホスピスについて学ぶためにイギリスに渡り、そこで出会ったシシリー・ソンダースさんから学んだこと、さらに帰国して在宅ホスピス医として患者と関わってきた体験など映像を交えて紹介。聴講に訪れた市民からは人生の最期をどう迎えたらいいのか、迎えさせてあげたらいいのか、あらためて考えるきっかけをいただいた」と感想を話していた。
たくさんの感想を頂きました。ご紹介します。
・ケアマネージャーという職業柄、在宅医療、看取りについて学ばせていただく機会がありますが、精神的な面で利用者、家族を支えていく視点としていきたいと思います。
・私は今、看護学生3年生として実習にのぞんでいます。末期の方を受け持つことはないかもしれませんが、就職してから関わることもあると思います。今回の講演で学んだことを胸に患者様のよりよい最後とは何なのかを考えていきたいと思いました。
・7年前に亡くなった義父を家で看取ってあげたかった。「うちに帰りたい。」と言っていたので。
・人生の最期の話を聞きに来たのに、笑いが出る話でした。ありがとうございました。
・とても楽しく聞くことができました。生きる意欲をどう引き出すか、私たちはどう支援していけるか、みつけながら行こうと思います。
・施設から在宅へ国の方向性が変わってきていますが、まだまだ在宅医療が充実していません。医療体制が充実して安心して在宅で看取る時代が早く来ると良いですね。
・ちょっぴり涙もあり、笑いもあり、楽しい時間をありがとうございました。
・「仲間をつくろう」この言葉が印象に残った。
・大切なところの話をユーモアを交えて話してくださり、生きることの素晴らしさを感じました。本人の望みって大切なんですよね。耳を傾ける、常にそうありたいです。
・何年か前に夫が読んでいた先生の著書で先生を知り、興味を持ちました。先生のお話を聞けて本当によかったです。内藤先生、鎌田先生と富士宮でお話をしていただき、本当にすごい。すばらしコーディネーターさんのおかげです。地域の人、医師会の方にも参加してほしい。
・病院に勤務している私は人の死に多く直面します。マンネリ化しそうな自分にとって今日の講演はふっと、自分の考えを初心に戻してくれた。命の大切さ、家族の大切さを実感した。今後の看護に活かしたい。
・自分が家族を看取った時を振返り、「よかったんだ。」と思えるようになれます。そして私自身、看護師として患者さんと家族に寄り添う看護をしていくための応援メッセージをたくさんもらえた貴重な時間になりました。ありがとうございました。
・涙あり、笑いあり、とても良い講演でした。家族ができ、子どもができ、自分の人生を考える時があり、とても心にしみました。死は怖いですが、自分の人生最後、家族の人生がとてもすてきだと思えるような、良い人生を送っていきたい。また、それを協力できるような人間になれたらいいなと思いました。
・家族に自分の意志をはっきり伝えられるような関係を築きあげていくことがとても大事だと思いました。在宅ホスピスの考えがとても変わりました。
・20数年というヘルパーの仕事の中、たくさんの研修を受けてきましたが、本日の内藤先生のお話に、これでよかったと思えました。現在、お手伝いさせていただいている、在宅の寝たきりの方、実家で介護5で大勢の方々の連携で在宅が送れている兄のこと、私なりにまた、一生懸命関わっていけます。
・本人の意志を最大限手助けしていきたい。患者さんを一人の人として支援していきたい。
・「生きる」という事。私が向き合っている(仕事)一人一人の人生の思いを大切にもう一度、ちゃんと向き合いたいと思った。
・内藤先生の人柄を通じたホスピスケアのお話に感動しました。私が病院勤務時代に死を迎えざるをえない患者さんのことを思い出しました。在宅で最後を迎えることは癌のターミナルでも老衰でも人間本来の望みかと思います。それを可能にする本人の意志が言える環境を作っていければと思いました。
・とても良いお話でした。重い話も楽しく聞かせていただけてとても良かったです。家で看取るということがこれから大事だと思いました。
・こんな良い先生が往診してくれたら在宅での看取りも安心してできると思います。自分も家で最後を迎えたいと思っています。
・死ぬ=最後まで生きる、ということで「在宅で看取る」ということを身近に現実に感じました。いつもどおり笑いながら生きていく家族、仲間を増やして、明日からまた、仕事に向き合っていきたいです。
・「在宅ホスピスケア」について5年前に亡くなった義父の最後を思い出し、後悔しました。これからのいい勉強になりました。
・在宅で看取るということ、それを支えるということ、ケアマネージャーとして考えるべきこと、たくさんあると感じました。寄り添い、どのような思いで寄り添うか、家族や本人の選択をどのように支援するか、一つの道筋が見えた気がします。
・家族や本人の思いに耳を傾け寄り添う、基本中の基本を新たに胸に刻みました。楽しい介護、人のつながりを小さな力ですが役立てたいです。
・先生の緩和ケア、ホスピスケアに対する想いと誠実なお人柄が伝わりました。これほど、温かいお人柄の在宅医師がいらっしゃることに感銘を受けました。ありがとうございました。
・自分が今まで関わってきた人たちの顔が浮かびました。今出会っている人、これから出会う人を大切にしていきます。
・笑うこと、しゃべること、美味しいものを食べること、いっぱいしたいと思いました。怒りヒステリックは絶対したくないと思いました。親といっぱいおしゃべりをしたいと思います。
・私の母は12年前に亡くなりましたが、私の仕事が忙しいこともあって病院にもあまり行けず、あれでよかったのかなぁと後悔の念が今も残ります。先生の笑って別れるという話がすごく心に残りました。
・今の医療がよりよいものになるためには、患者や家族との関わり方が大切だと思った。
・今は学生で看護の勉強をしています。まだまだこれからいろんな患者さんと接していくと思いますが、患者さんの言葉を大切に看護していきたいです。今日は来れてよかったです。ありがとうございました。
・急性期病院の看護師です。病院では患者や家族のご希望に添えないことがたくさんあると感じています。本日、内藤先生の講演を聴く事ができてとても参考になりました。看護師としてもう少し経験を積めたら訪問看護師を目指したいと思います。ありがとうございました。
・おうちで最後を過ごせること、そこに笑いがあることに感動しました。
・楽しく、笑い、泣き、感動でした。今後のターミナルケアに参考にさせていただきます。ありがとうございました。
・病院という現場にて仕事を行っている日々ですが、何を目指すのかが見えなくなっている自分に気づかされました。日々に追われることで見失っているものを認識できてよかったです。
・本人の思いをできる限り受入れられるよう、ご家族にも寄り添える立場でいられたらと感じました。お話を聞いてケアマネを続けたいと思い返しました。
・とても良い先生のお話が聴けて本当にありがとうございました。感動の涙、おもしろい涙をいただきました。先生からのお話は今後の仕事に参考にさせていただきます。
・すばらしい講演でした。先生の志や人としての温かさ、行動力に感動しました。「最後を看取る仲間を作ること」目指したいと思います。
・科学(医学も含む)の進歩は人間を幸福にするためなのに、人間の尊厳を皆でもう一度考えなおす機会になりました。また、しなければと思いました。
・グループホームでの看取りがなされる利用者様について、「家に帰りたい。」と言われることもあります。その中にホームの看取りを希望されるご家族様と共によい時間を作っていきたいと思いました。
・以前は在宅で最近は施設での看取りを何例もやらせていただきましたが、全て納得のいくものではありませんでした。これからの場で思い出させてもらおうと思いました。
・私たちの仕事はできない部分の手助け、支援。利用者さんのもっている「力」をもっともっと引き出せるようにしていきたいと思います。明治生まれの祖父母を思い出し、涙が出ました。本当に自分が癒された講演会でした。
・良いお話が聞け、本当に良かったです。人の生きたいと思う気持ちの力に驚かされ、学びました。今後の私の目標が少し見えてきたように思います。
・在宅ホスピスは大変なので病院で最後を、と家族に苦労をかけるのでと本音を言えない方もたくさんいると思うけれど、この講演を聞き、自分の家族は是非とも在宅で!と感じた。そして、在宅希望の患者さんと家族の不安を取り除き、一緒に支えていけるスタッフになれるよう日々精進したいと思いました。
・実例がたくさん盛り込まれた講演で、たくさんたくさん勉強になり、義父、義母を在宅介護で頑張ってきて良かった。
・実際の先生からの話だったので、とても興味深く聞かせていただきました。貴重な話をありがとうございました。今後の業務だけでなく、いろいろな場面で活用(といったら大げさですが・・・)させていただけたらと思います。
・在宅看護、耳にするのがとても難しいことだと思っていた。自分より遠くにあって手が届かないことだとぼんやり考えていた。仲良くすること、皆さんの手をかりて、知恵を借用すれば在宅看護ができる、と分かりました。
・自分は絶対自宅で最期を遂げたいと思いました。ありがとうございました。
・重い話でありながら楽しく聞かせていただきました。人の命の重さは計り知れないと思います。そんな命の大切さに関わっていきたいと思います。ありがとうございました。
・46歳で夫を看取りました。その時、自分の人生も終わってしまった気がしました。苦しい何年間を過ごし、それから自分の人生を真剣に考える様になり、「充分生きた後悔がない。」と思える日々を過ごしたいと思い暮しています。自分の最期の時も自分らしく終わりたいと思いました。とても考えさせられ、いいお話を聞かせていただきました。ありがとうございました。
・医師というより哲学者のような感じを受けました。人生をどう生きたらいいのかと教えていただきました。精一杯生きたいです。
・非常に難しい話を、おもしろく講演してもらいとても良かったです。私自身も最期は自分の家で逝きたい、常々家族に伝えている者ですが・・・。家族は大変かな、と思っていましたが、皆が在宅ホスピスの事を理解が進むといいなと思います。
・ユーモアな話もあり、ほろりと泣かされる話もあり、とてもいい講演会でした。
・今日は先生の話を聞くことができ、本当に良かったです。私は看護師です。今は脳外科病棟勤務をしています。在宅介護に携わりたいと思っています。先生の話を聞いて、自分の気持ちを強く持とうと改めて感じました。今日は本当にありがとうございました。
・とても感動しました。在宅介護、看護をもっと広めていきたいと改めて思いました。
・自宅で最期まで生きるということ、家族がそれを支え、医師や看護師が支えるということの意味が少し分かったように思います。そのサポート役に加わることができたら。できるか・・・??
・在宅で看取るためには介護者の力が大きいと思います。独居、高齢者が増えている中、どのように本人を支えていくのかたくさん課題があると思います。両親、義父母が80歳になりました。今後、いつかは看護、介護の日々が訪れますが、本人の思いをかなえてあげられるように、考えていきたいと思いました。
・先生のお話を伺いながら、何度か涙が出そうになりました。命と向かい合うこと、支えるということ、最期を選択できるということ、多くの写真を見ながら学ぶことができました。今までの、これからの経験を生かし、両親は出来る限り家で看取ってあげたい、と思いました。
・初めて考える分野でした。これから家族と共に話し合っていきたいと思います。
・医療が必要になると、入院が当然の選択になっていたが、住み慣れた自宅で最期を迎え
たいと自分自身が思いました。
・ホスピスケアに恵まれた方、恵まれず亡くなった方、その一人になれるか分からないけど、関わりを持った方に本日感じたことを実行できるか。言葉に表せないことを学ばせていただきました。
・人の最期をどこの場所で・・・と今さらながら考えさせられました。ネットワーク、大切にしたいと思います。