お手紙

二分法の貧しさを越える

絵本作家で詩人の内田麟太郎さんから「いい塩梅でサバイバル」の感想が届きました。彼のブログをご紹介します。

内田麟太郎さんのブログ
詩人・絵詞作家・内田麟太郎オフィシャルブログ「広告する日記」より

この国でのホスピスケアの草分けといっていい内藤いづみさんより、本とDVDが送られてきました。

 余命半年だろうか三ヶ月だろうかという有元さんを、あなたのための大切な会議だからと、医者と家族の会議の中心に座っていただいた話し合いが終わったときに、有元さんが言われたことばが本のタイトルになっています。
「ありがとう。いいあんべえでおねげえしやす」。
 白か黒かの二分法ではなく「いいあんべえ」という曖昧なことばの豊穣さが、いのちが感じられます。

 DVDは内藤さんの講演でしたが、シンガーソングライター・チャンティさんが私の絵本 『いのちは 』 絵・たかすかずみ WEVE出版)を歌っておられました。
詩のようなことばで書いていたからでしょうか。自分のことばなのに、しみじみと聴いていました。

     いわ

  つきの ひかりを あびながら
  つきみそうが さいている

  つきみそうに なりたいなあ。
  つきみそうに なりたいなあ。
  いわは うっとり はなをみる

  はなより きれいな はなが さく
  はなより やさしい はなが さく

  わかんねえ。
  たぬきも きつねも くびを かしげる

  こころに あつまる ちょうがいる
  こころを すきな ちょうがいる
  いわは きょうも ちょうで いっぱい