開催報告 2023年10月15日 島根県益田市
2023年10月15日、まだ暖かった先週、島根県益田市講演に行ってきました。主催の国際ソロプチミスト益田のみなさんのご尽力で400人近い参加者が熱心に命の話しを聞いてくださいました。
伝統や神話の伝えが残る山陰だからこそ、ストンと胸の奥に命のメッセージが届いた気がします。
出会いに感謝です。
一年も準備にかけてくださり、一同のお力が結集して素晴らしい35周年記念講演会となりました。
私は前日の午後の便の飛行機に搭乗。ちなみに、地図では鳥取は東側、島根県は西側です。(けっこう、悩むことがありませんか?)
出雲の上空になると、かなり揺れました。窓から下を見ると雲海が幾重にも重なっています。
10月は一般には神無月。なぜなら、全国の神様方は出雲大社にお集まりになるのですって。
故に、島根では、神あり月。
神様会議は紛糾しているのかな?と思ったことでした。
益田市は中世の世界遺産と言われています。
海の交易で隆盛を誇ったそうです。
石州瓦と言う茶色の瓦の家が郊外に行くほどたくさん残っていて、まるでヨーロッパの街並みみたいだと感じました。
講演の会場もこの瓦を使い、優美で荘厳なデザインです。
石州瓦を使ったデザイン。
グラントワ、大きな屋根というネーミングも秀一です。
こんな立派な会場で話させていただけることを心より感謝しました。
老若男女が集まってくださり、笑ったり泣いたりしながら、生きていくこと、行く末を自分で選ぶことの大切さを受け止めてくださったと感じました。
サイン会でもたくさんの方が本を買ってくださいました。
いにしえの文化の継承者の益田市の皆さんは、ゆったりとしたリズムと、優しさに満ちていました。
こうして、また大好きな場所が増えました。
お役目を果たして安堵。
翌日は隣県の津和野と萩の町をぶらりとおとづれました。
清潔に整われた町並み。
鷺舞が有名な津和野では、鯉が優雅に泳いでいました。
津和野は安野光雅画伯の出身地です。蒸気機関車も保存されていました。
主催者からのご報告
10月15日にグラントワで行われた国際ソロプチミスト益田認証35周年記念事業・講演会。在宅ホスピス医の内藤いづみ先生をお迎えして「私たちは次の世代に何を手渡していくのか」をテーマにお話しいただきました。
当日は400名もの参加者にお集まりいただき、共に先生の「いのちへの向かい合い方」や「私たちの生き方や死にゆく姿を伝えることが次世代への残せること」など、貴重なお話しを聞くことができました。
内容
・在宅ホスピスへの歩み
・実際の患者さんとご家族のスライド。看取りの様子
・“絆”という社会のゆりかごの中にいる私たち
・私たちが子供や孫、次世代の人たちへ残せること
来場者400名を迎えた今回の講演会では、内藤いづみ先生の温かく、ユーモアあふれる語り口で「いのち」にまつわる大切なお話を聞かせていただきました。
先生が在宅ホスピスの現場で実際に関わった患者さんやそのご家族の写真もたくさん見せていただきました。ご自分の死装束としてウエディングドレスをあつらえて、「死んでから着ても自分では見られないから」と生前にその衣装をまとい写真におさまった女性。耳が聞こえないなか、自分のケア会議に参加し、「いい塩梅でお願いします」と伝えた男性。最期にお孫さんたちにベッドで髪を洗ってもらう女性。末期がんでも自宅で安心して過ごし、身近な人たちに見守られて旅立つ様子に、来場者の多くが心打たれたご様子でした。ご自身の体験と照らし合わせて涙する参加者も見られました。
自分のいのちの最期に支えてくれる人(「いのちのネットワーク」と呼びます)を5人考えて、その5名の名前をノートに記し、それぞれにも伝えておきましょうとの教えもありました。先生から参加者にプレゼントされた『いい塩梅ノート』は、自分のことを家族や身近な人に知ってもらえる書き込み式のもの。どれも少しの時間で実践できることばかりです。
そして、タイトルの「次の世代に何を手渡していくのか」。私たち一人ひとりが日々の人生をどう生き抜いて、どう死んでいくかを、自分の身近にいる愛する人たちに見せることだ、とおっしゃいます。それが一番大切なことだと。
先生のお話をお聞きして、今までを振り返り、今後の人生を考える素晴らしい機会になりました。
また、講演終了後、数時間も経たないうちから、参加された方々から
「いいお話で胸を打たれた」
「もっともっと聞きたかった」
「今後の人生の道しるべをいただいた」
等のうれしい感想も届いています。