「あなたを家で看取りたい」最優秀賞
ホスピステーマに内藤医師に半年問密着
テレビ山梨が制作したドキュメンタリー番組『あなたを家で看取りたい~在宅ホスピス医 内藤いづみ~』がこのほど、「第3回日本放送文化大賞」関東・甲信越・静岡地区19局の地区審査で15作品中、1位の最優秀作品に選ばれた。全国7ブロックの最優秀作品による9月の中央審査を経て、10月末の「第55回民間放送全国大会」でグランプリ、準グランプリが発表される。
グランプリは全国放送も
同大賞は日本民間放送連盟が「質の高い番組がより多く制作、放送されることを促す」ことを目的に2005年制定。審査員は各社の番組審議会委員や新聞・通信記者、広告関係者で構成され、グランプリ、準グランプリ作品は全国放送される。
最雰作品に選ばれた『あなたを…』は限られた余命を病院ではなく、住み慣れた自宅で全うする在宅ホスビス医療に焦点をあて、本県の先駆的な在宅ホスピス医である「ふじ内科クリニック」院長の内藤さんの半年間に密着した。子供や孫が見守る中、息を引き取るシーンも家族の了解を得て撮影された。県内では昨年12月放送され、大きな反響を呼んだ。
「臨場感」や「女性の視点」
受賞理由は「丹念なカメラワークで臨場感ある映像に仕上がっている」「医師であり、母であり、娘でもある内藤医師を、女性ディレククーの視点から適切にとらえている」などだった。
同番組を制作した山田寛子ディレクターは「患者さんたちが教えてくれたもの。それは〝限られた命に向かい合った時に初めて見えてくる世界のすばらしさ″でした。しかし、そのすばらしさは、実は何気なく過ごしている日常生活の中にありました」。
また「患者さんが急変した様子を撮影している時には手が震えてしまったり、逆光で撮るなど決してきれいな映像ではありませんが、患者さんが見せてくれた〝生き切る姿〟を逃すまいと一生懸命撮影しました」と話している。
同番組は9月17日午後4時50分から再放送される。
山梨新報 2007年8月17日より抜粋