開催報告 2012年12月8日 第3回ホスピス学校
第3回内藤いづみのホスピス学校
国語の時間
講師:内田麟太郎さん(絵本作家)
内田さんと私を繋げてくれたのはいのちの出会いから。
2010年7月の鳥取での日本ホスピス在宅ケア研究会全国大会の絵本コーナーで、内田さんの絵本『泣きすぎてはいけない』に出会ったのです。
仲が良かったおじいさんと孫の物語。亡くなってしまったおじいさんが、孫に語る言葉。
「泣いてもいいけれど、泣きすぎてはいけない。私が好きだったのはお前の笑顔だったから。亡くなった者は誰も、残された愛する者の幸せを祈っている。ただそれだけを」
永遠の別れの悲しさを知っている者には魂にズシンと響く言葉。
私も父を16歳で亡くしたからよくわかる。
それから北海道の友人 高橋さんの橋渡しもあり、ご縁を頂くことになった。ペンフレンド?です。だから、お会いするのは今回が初めてでした。
生母と幼い時に死別した内田さんは継母から愛されず、荒れ狂う思春期を送ります。しかし、内田青年を救ったのは詩心を支えてくれた人々の出会いと、遠い昔に確かに母に愛されたという記憶だったと言います。安定した恒常的な愛の欠如。義母からの自己肯定してもらえない体験が内田さんをずっと苦しめました。幸せを感じてもそれを否定し、死にたくなったそうです。だから、面白い本もたくさんありますが、内田さんの面白い本はとても深いのです。
講演の終了後、プラネタリウムへお連れして、宇宙を見て頂いた後、内田さんの生まれた1941年2月11日の夜空をドームいっぱい出してもらいました。満月。満天の星々。木星と土星が20年ぶりに一番近づく夜。内田さんのお母さんもこの満月を見たかもしれないと思ったら皆、胸がいっぱいになりました。
「おめでとう」
と拍手をしました。内田さんに心から祝福を送りました。
内田さん、また甲府に来て下さい。
内田さんのご感想(ブログへリンク)
フォトギャラリーにたくさん写真を掲載してございます。