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逝く人たちの声に耳を傾ける理由

月刊MOKU8月号より抜粋
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人は自分のいのちが終わろうとする時に何を思うのだろう。
語ることが不可能だったり、言葉を飲み込んだり、本意ではないことを言ってみたり、なかなか本心を知ることは難しい。その声を聴く看取る側の積極さの問題もあるだろう。

しかし、もしかしたらその最期の声の中に(声なき声も含めて)、豊かさとはどういうものか、生きていることの意味は何か、いのちを伝えていくとはどういうことか、人間はどういう存在なのか、といったことを教えられる瞬間があるのではないか。
なぜなら余分な固執から離れるステージを生き始めるからだ。
在宅ホスピス医として患者とその家族の声を聴き続けてきた内藤いづみ医師が、柳田邦男、中村桂子、曽野綾子の三氏と語り合った。私たちの生は、生を終わる人たちに促されていることを痛感する本である。
「いのち」の話がしたい~内藤いづみ対談集