大切な人の最期との向き合い方 人生の終え方を考えよう
苫小牧民報2012年6月2日より
自分らしい人生の終え方とはー。
在宅ホスピス医の内藤いづみさんを招いた講演会が15日午後6時半から、苫小牧市文化交流センターで開かれることが決まった。病に侵された自分や大切な人の最期にどう向き合い、寄り添うか。
「看取(みと)り看取られありがとうのために」をテーマに、緩和ケアを含め、死の迎え方の選択肢を知ってもらう機会にする。
講演会実行委主催。内藤さんはホスピスの本場、イギリスで非常勤医として研修を受け、帰国後、ふじ内科クリニック(山梨県)を開業。がん忠者の「痛み」を精神、身体両面から支える緩和ケアを在宅で行っている。先端医療主義とは一線を画し、末期患者や家族に徹底的に寄り添い、痛みを取り除きながら、本人や家族が望む人間らしい「最期」を支える姿は、多くのメディアでも取り上げられている。
作家の永六輔さんとの交流も有名。当日は大切な人の最期との向き合い方や、みとられ方の選択肢、緩和ケアなどについて講演する予定。
講演を企画したのは、実行委の代表を務める市内の会社員、松本昌恵さん。
自身も父親を肝硬変で亡くしている。父親の容態が急変した際、病室から出され、電気ショックなどを受けている様子を遠くから見るしかなかった。
「あの時『ありがとう』『さようなら』と言って笑顔で別れる選択肢があることを、知っていたら」と悔やむ。
日本では、終末期患者は先端医療技術の中で人工呼吸器で生き永らえ、孤独な最期を迎えるケースは少なくない。
病気ではなく、患者自身と向き合う内藤さんの姿に、「病気を受け入れ、残った命に感謝しながら、最期を家族と共に生きられるという選択肢があることを知った」と松本さん。「自分と同じような経験を誰にもしてほしくない。多くの人に聞いてほしい」と話している。
講演会は参加費500円。来場者には内藤さん原作の小冊子(絵本)もプレゼントする。
当日直接会場に行くことも可能だが、前売り券(500円)は苫小牧駅前プラザegao(エガオ)6回のNPO法人連絡会あゆーむ事務局、市内栄町2の茶房見夢で販売中。
事前申込み、問い合わせは松本さん090-6995-2701まで。