開催報告 2011年9月17日 東日本大震災復興支援チャリティコンサート講演会
9月17日に北斗市、長坂のやまびこホールにていのちの響きというテーマで音楽家ふたりの演奏と私の話の講演会が開催された。
1000回近くいのちの講演を続けてきたが、3月11日以降、私自身、語る言葉を失った気持ちにいっときなった。日常生活を続けていくうちに、いのちに向かい合う仕事の意味を再確認し、真摯な思いを取り戻すことができたように思う。
いのちの仲間たちにも感謝している。この度は二人の若き音楽家たちと知り合う幸運に巡りあった。音楽と共に会場の聴衆のみなさまといのちの交歓をしながら共感が高まっていった。お二人の持つ、ピュアな音楽の力はぐいぐいと私たちに迫ってきた。私は講演の最後に詩を読むことが多い。今回は森田さんにドビュッシーの月の光を伴奏していただいた。愛する人を見送った方々が会場で号泣した。しかし、それは悲しみではなく、許しと大きな愛に気づいた涙のように感じた。森田さんのピアノの響きは私の細胞と細胞の間を清らかに流れていった。まさしくこれがいのちの響きと深く納得した。
?参加者からのご感想?
昨日はありがとうございました。
午前中、障がいのこどもとその家族でのアロママッサージのボランティアの後で、
障がいを持って生まれたこどもたちの生きる姿、成長・・・そしてその家族との触れ合いの中で、多くのことを感じていたあとでしたので、
なおさらいのち・・・と向き合う一日でした。
東日本大震災のチャリティ講演会、八ヶ岳やまびこホール。
心に響く、森田基子さんのピアノと大澤歩土さんの歌声・・・・
そのあとに、信頼する内藤いづみ先生の講演。
うっとりしたり、大笑いしたり、涙したり・・・のこころの振れ幅が大きな一日。
まさに、いのちの響きを感じました。
今回は、震災のチャリティイベントであったこともあり、より深いメッセージが感じられました。
内藤先生の、「3月11日、あの時から、あなたは何がが変わりましたか?」という問いに、
会場の皆さんが、今日、考えていらっしゃるでしょう。
私もそのうちのひとりです。
あの日からの自分の中の気づき、この想いを、忘れてしまわないように・・・
胸に誓いました。
そして、内藤先生は
この先、この日本で、この地球を
生きていく中で、大事なエッセンスもお伝えいただきました。
すごく簡素だけど、今の世の中で難しい大事なこと。
自分の頭で考える。自分で選択する。その自分で選択した結果を受け入れ、愛する。
どの場面でも必要なエッセンスです。
在宅ホスピス医として、
患者さんだけでなく、家族も含め、
いのちと向き合いながら
日々仕事をしている内藤先生の言葉は、染みわたります。
震災・原発・看取り・死・別れ・・・
こんなに、世の中でタブーとされているようなキーワード満載の講演会でありながら、
永六輔さんも認める(それを認めたわけじゃない?医師、人としてだった・・・(笑))
内藤先生の語りは磨きがかかり!
どっかんどっかんの大爆笑の渦。
(中高年のアイドル、綾小路きみまろ?女版?というくらい?)
ユーモアの中に、大事な心に染みわたるメッセージの数々、
ウルウルしながら、心を震わせながら聞く皆さんの姿。
先生の言葉の中に、
「今度いつ起こるか分からない災害の準備はするのに、
必ず起きる死に、別れの準備はしていない。」
本当にそうだな・・・と感じました。
縁起でもない、とか、怖いとか、いのち、自分に向き合うことに臆病なのかもしれません。
(これは、私が、看取り・旅立ちの現場でも感じてきましたが、お産の現場でも感じます。妊婦で必ず起きる(起きないと産まれない)陣痛を怖いから見ないようにしていて、本番を迎えちゃえ!な・・・方々がいっぱいで、あとから、こんなはずじゃなかった・・・と長く悲嘆にくれたり、家族との間に大きな心の溝ができてしまったりするのです。)
それでも、先生のお話しを聴いていて、
いのちを受け止め、いのちに寄り添う力は、
小さな子どもでも、だれでも持っている。
その準備を、自分、家族と向き合いながら、
ゆっくりでもしていく必要をさらに感じました。
先生のお話しに登場された小学生のこどもたちは、
それぞれに、いのちの旅立ちを見つめ、
自分の中に、そのいのちのバトンを感じていました。
大人にできないわけがないのだから。。
大笑いの後、内藤先生・森田さん・大澤さんのコラボレーションサプライズ。
12歳の男の子の作文を大澤さんがこころをこめて読んでくださり、
「泣きすぎてはいけない」の絵本を内藤先生が、
森田さんの月光のピアノと一緒にに読んでくださいました。
ピアノを聴きながら・・・
今まで看取った患者さんやお別れした友人たち、
私の中に流れるおじいちゃん、おばあちゃんや妹・・・・
みんなの顔が見え、
今、このいのちのバトンを持って走る自分・・・
未来に、このいのちのバトンをいつか渡す私・・・
涙がぽろぽろこぼれました。
会場の皆さんの震える肩、すすり泣き、
ここにいる皆さんが繋がれてきたいのちを感じ、
そのいのちのバトンをもって懸命に走る今、
未来のいのちに、
想いを馳せながらいたのだとおもいます。
朗読が終わり・・・静かに涙を流しながら弾いていらっしゃる森田さんのピアノの
月の光が、身体の細胞に染みわたりながら、
ひとりひとりを包み込み、会場全体を大きく包み込んでいました。
いのちの響き・・・
カラダ・ココロすべてに染み渡りました。
本当にありがとうございました。
今日は、亡くなった大好きな妹の誕生日です。
出逢えたことに感謝。そして、今も私の中で生き続けてくれていることに感謝です。
いのちの対話をいっぱいしたいと思います。
(藤森様 女性)