台風が通りすぎて
みなさんの地域は台風の被害はなかったですか?
私のまわりでは小道に枝がたくさん落ちていましたが大きな被害は幸いありませんでした。
午後には山の傍に立つ老人施設に往診に行きました。
みなさん、穏やかに落ち着いていました。
山肌には枯れ葉の間に小さな小さな朝顔が咲いてました。
今年は暑すぎて我が家の朝顔はあまり咲きませんでした。
だから種取りもできません。
次代にどういのちを繋ぐのか?ふとそんなことを思いました。
実は 私の96歳の母がどうやらいのちの最終章にはいり、いのちの時間をゆっくりとすごしています。
わたしのふるさとの施設で丁寧にみてもらっています。
今までは冗談をかわすことも多く、よく笑いました。
今は眠る時間が長く、どう声をかけても起きないときもあり顔を眺めて帰ってきます。
起きているときは大切なことを伝えます。
お母さんが応援してくれたから、こうして医者になれたよ、ありがとう、と。
どこに帰りたい?生まれたところ?嫁いでがんばったところ? どんな音楽を今聴きたい?
それらには明確に答えない時の方が多いのです。
ですから私がかわって振り返るのです。
ひまなく働いてきたから、大好きな歌手なんていなかったかも。ファンとして追いかけるなんて余裕なかっただろうな?
母が口ずさんでいた歌はなんだろう? 美空ひばり?母は少し歌が苦手だったかもしれないなあ。
長谷川一夫という俳優は大好きだったらしい。希代の色っぽい美形!
でも元気な時に彼の出演した赤穂浪士の古いドラマを見せたけどそんなに感動していなかった。
各々がた!という決めせりふを聞いてにこりと笑いましたが。
子供のわかる親の来し方の範囲なんてたかがしれているんですね。
流行りのアロマにもあまり関心を示しませんでした。お洒落な香りではなく、母が毎日100食も作っていたお昼の弁当。
お米の炊き上がるにおい~煮物、焼き魚。そんな香りなら母の目が開きそうな気がしました。暮らしの香り、くらしのざわめき。
どこで最終章を過ごすにしても、少しでもそんな風があるのなら本当に幸せなことだと思います。
私のプライベートの話でした。