「新・しあわせの13粒」その4
(JAフルーツ山梨「フルーツフル」、ドクターいづみのセルフケアエッセー vol.12より)
人生に師匠と呼べる人がいたら、こんなに幸せなことはありません。
私の最大の師匠は、7月7日にお亡くなりになった永六輔さんです。私の在宅ホスピスケアの活動を、20年前から応援してくださいました。
永さんは「準備することがとても大切です。特に自分のいのちの終末期の準備は、口笛吹いてしなくちゃね」と、よく颯爽(さっそう)と語ってくださいました。
私の『幸せの13粒』という絵本も、健全な毎日の生き方のヒントとして気に入ってくださいました。
そうでした。JAフルーツ山梨の組合員の方にお願いして、毎年「桃と葡萄」をお送りしました。「あちこちからいただくけれど、内藤さんから送ってもらうフルーツが一番美味しい」と、いつも喜んでくださいました。皆様に誇りを持ってご報告いたします。
『新・しあわせの13粒』
7粒目 自分に毎日ご褒美を
これは、特に女性に好評な項目です。でも、気を付けて下さいね。
なるべくお金のかからないご褒美を考えて下さい。大好きな歌手のCDを買ってヘッドホンでうっとりと聴く。
夕焼けを見ながら「きれいだなあ」と呟く。自分のきれいだった若い頃のことを思い出す。
自分だけがわかる、自分の回復する時間を持って下さい。
8粒目 長いこと会っていない友人に会う約束をする。そして実行!
何十年も付き合っている友人がいますか?何十年も会っていない幼馴染もいますか?
「会いたいな」と思ったら会って下さい。一年、三年、十年なんてあっという問に経ってしまいますよ。友人はあなたの人生の歴史であり、かけがえのない存在です。私はいのちの短い方々と関わることが多い医者なので、「来年に延期できない」という切なさを体験してきました。
人生、待ったなしです。