自分自身が命の主人公
(日刊岳南朝日2016年3月22日より)
山梨県内を中心に展開されている「ホスピス学校」が20日、富士宮駅前交流センターきららで開かれた。同学校を主催するホスピス医・内藤いづみさんの講演と歌手小林啓子さんの歌や演奏で、命について学び合った。
内藤さんは山梨県出身。福島県立医大を卒業後、東京女子医大に勤務。医師として生と死に向き合う中、末期がん患者とその家族の支援を行う英国のホスピス医療について同国で学び、1995年にふじ内科クリニックを開業した。同学校は内藤さんをはじめ、親交が深い医師や心理学者などが講師となり、命について語り、参加者が考える時間を提供している。
今回は同学校に参加する富士宮市在往者が、地元でも開きたいと内藤さんに依頼し、開かれた。
内藤さんは「人は自立することが大事と言うけれど、実は自立していない人が多い。各種サービスを甘んじて受け、何も考えなくなっていく。大切なのは、自分目身を『命の主人公』だと思い、自分は何かできるか考え、何かをすること」とし、心理学者をはじめとする医師や永六輔さんとの出会いと交流を紹介。「命とは『時間か続いていること、いろいろな人との関係性が続いていること』と言う心理学者かおり、私は賛同しています。生きている時にできた関係性を大切にしていくと、亡くなった後もその関係は続いていく。人の心に、あなたの『命』が残っていくんです」と訴えた。
このほか、『自立』とは「自分で考え、行動すること」であり、釜石小学校校歌(井上ひさし作詞)を紹介しながら、「歌詞の中にある『息あるうちはいきいき生きる』が好きです。 自分を見つめ、生きていることを感じてほしい」と話していた。