開催報告

開催報告 2008年10月27日 在宅ホスピス研究会

4回シリーズの在宅ホスピス研究会は、おかげさまで10月27日に最終回を迎えました。ここでは参加者からのおたより、そして鈴木秀子シスターからのおたよりからレポートいたします。


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鈴木秀子先生のお話を聴いて
はじめに、この機会を頂けたことに心から感謝しております。
私は、認知症の症状をもつお年寄りと関わる仕事をしています。
どの方も天国の扉を開くまで、個人個人の物語は続いておられます。
生きて生きて生きておられます。
先日、施設で暮らす95歳の女性が、「東京ラプソディ」を歌い終えると、にこやかに微笑み・・・
「嬉しくて、悲しくて、涙が出るの。近いの。近くになっているのが分かるの。私のことを覚えていてね」と涙を流し始めました。私が、
「ずっとずっと覚えていますよ。死んでも覚えています」
と言うと。笑いながら、
「嬉しい。天国逝ったら、おせんべい、ちょうだい。頑張って頑張っているから大丈夫」
と皆を温かなユーモアで包んでくださいました。
私は施設におられる方との出会いを通し、人生のフィナーレを迎える方々と関わる尊い仕事をしていることを実感します。
いつも怒る方、いつも悲しんでる方、悲しすぎて手を上げる方、不安すぎて人を責める方、様々です。皆、認知症の症状を与えられ、自由に感情をやっと吐き出すことができるようになれました。そのような方々と私は日々自分自身と相手と向き合い続けています。命、魂、と出会う仕事は、尊いものを頂けます。そして同時にエネルギーを使います。疲れ、自分の心がカラカラになることもしばしばです。
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しかし、疲れた心、傷ついた心をケアしていくことは、個人個人がしていくこととして重視されていないのが現状かもしれません。「相手と向き合う」「相手をもっと知ろう」そんな言葉を聞き、相手と向き合おうとするあまり、「自分自身との向き合い方を知ること」や「自分の心の声を聴くこと」を忘れてしまいます。
人と心の声を聴き、自分の心の声にも耳を傾けることの大切さを、鈴木秀子先生のお話から感じました。
鈴木先生は、深い意味で「自分を大切にすること」「命を頂いていることに感謝すること」が大切だと教えてくださいました。
「一番は自分を大切にすること。命と向き合う仕事は尊く素晴らしいけれど、親権になればなるほど、エネルギーを使います。だからこそ自分の心に良いエネルギーを送りつ続けていくことが必要です」
と優しいメッセージを下さいました。
今回は脳科学の視点から良いエネルギーの溜め方を教えてくださいました。どんな時も自分のッ心との対話で良いエネルギーは満ちてくる、スピリチュアルなパワーを鈴木先生から優しさと共に頂きました。
人はみんな、大きな大きな愛に包まれて生かされていること、思いやりと敬意をもって人に関わること、良いエネルギーを自分の中に満たすよう常に心がけていくこと、そしてそれができると信じること。必ず大きな存在が側で見守り支えてくれていること。それらを、今日、学びました。
全先生方の優しさと強さ、エネルギー、会場の方々のエネルギーで、私の心は良いエネルギーと優しさに包まれました。専門知識、技術、心、どれも専門家にとって大切で、高めていきたいと思いますが、今日はプラスして、自分もケアしていくことを加えようと思います。自分にも思いやりと敬意をもっていきたいです。
これからも、前へ勇気をもって進んでいこうと思います。先生がおっしゃったように、必ず大きな存在がいつも誰にでもついて見守って下さることに感謝しながら・・・。
このような学びの時間を頂き心から感謝いたします。


鈴木秀子シスターからのおたより

081117_02.jpg素晴らしい講演会に参加させていただきまして、有難うございました。学ぶことが多い、密度の濃い時間を過ごさせていただきました。内藤先生の穏やかな語りかけが、緊張しながら会場に入ってくる一人ひとりを和ませていました。
私をも温かくお迎えいただき、講演しやすいように、細やかに準備してくださり、とてもよい雰囲気で楽しかったです。
一緒に行った人たちが、在宅ケアという大変なお仕事を、内藤先生を中心に皆様で進めていらっしゃるご様子を拝見して、大きな刺激を与えられています。
方々飛び回っていて、お礼が遅くなりましたが、その間いつも先生のことを想い、心からの感謝を込めて、お祈りをお捧げしておりました。とくにご丁寧なお言葉を頂戴し、恐縮しながら、うれしゅうございました。
お寒さだんだん厳しくなってまいりますが、どうぞご大切になさってくださいませ。