福島再訪の報告
福島県を久しぶりに訪ねた。講演の会場は郡山市。
とても立派な施設。震災のあとは避難所になり、多くの方々が肩を寄せ合ったという。
きっと思い出して胸が痛くなる方もいるだろうと感じた。
2012年2月、永六輔さんと私は福島市で、繋がる命の話しをした。
震災は私にとっても大きな出来事で簡単に応援などできないとは思ったが、永さんの力をお借りした。
オーロラの写真も見せた。
オーロラはこの世とあの世を繋ぐ橋で、亡くなった人の魂は鳥になって、この橋を渡る、という地元の言い伝えも話した。
永さんはだんだん体力が落ちる時を迎えていて、家で転んで骨折し、入院。治療をして退院して3日目の移動だった。
短い時間でエッセンスをギュッと話し、車椅子で舞台から去って行った。
「空を見上げてください、星を見てください。みんな悠久の命の鎖の一つ。
心が少し上向いたら、笑ってください。ゲラゲラ笑って心を緩めてください」
みんな、永さんのライブに、ゲラゲラ笑ってくださった。
震災後、初めての笑いだった方々もいたはずだ。
そんな思い出を胸に2023年9月18日、私も講演した。
命のつながりは、縁ある人に正面から向かいあい、目を見て話す交流から始まる。
目も見つめ合わず、握手もせず、話もせず、機械に任せた交流の方が楽だと思う人が増えれば、人間はまともな未来を作れないだろう。
支配力のない、緩やかに相手と繋がり支え合うコミュニティこそ、困難な時代を生き抜く道ではないか、そんな思いを込めた講演だった。
ボランティア活動を頑張る今回のNHK学園由来のCSの方々は、きっと頼もしい発信者になると思った。
終了後、磐梯熱海という温泉に泊まり、体を伸ばした。いい温泉だった。
「ああ、極楽、極楽」久しぶりの温泉。
再会と応援の旅。ご縁に心から感謝を捧げた。