開催報告 日本ホスピス・在宅ケア研究会 第20回 十勝大会
2012年9月9日(日)に第20回日本ホスピス・在宅ケア研究会全国大会inとかちの基調講演として、内藤先生が行った講演の開催報告です。
いのちの歳時記~在宅ホスピス医の宝箱からいのちの響きとともに~
内藤いづみ、古屋かおり(ピアノ)、池田千鶴(司会・足寄町ホームケアクリニックあづま)
アルフォンヌ・デーケンさんは教えて下さった。
人間の尊厳とは、①充分な情報を得て自分の頭で考え ②選択し ③その結果を受け入れ、愛すること。現代の日本では、この尊厳が守られている時代だろうか?
新米医者の頃(もう30年近く前)出会った、病院に入院中の20代の末期がんの女性。彼女のために何ができるか自分の頭で必死に考えた。
彼女は答えた。「家に帰りたい」と。
その願いを支えたのが、私の初めての在宅ホスピスケアだった。彼女は母の腕の中で息を引き取った。残された家族とのご縁は30年経っても繋がっている。
20年前、イギリスでのホスピスケアの学びの後甲府に戻り、初めて出会った進行がん患者さんが40代の古屋さんだった。自分の行く末を選び、家族のために生き切った方。
「ありがとう。皆と一緒で僕は幸せだよ。皆を残して逝ってしまう。ごめんね」古屋さんの鮮やかに生き抜いた姿の思い出は、今も鮮やかに残る。
娘さんの古屋かおりさんはプロのピアニストとして活躍している。
「いのちの響きに出会えて幸せだと感じること。父の代りに、父の果たせなかった幸せを私たちが積み重ねていくことが、亡くなった人への供養だと思えるようになりました」
そう語るかおりさんと、こうして一緒にいのちを考える舞台に立てる在宅ホスピス医の私は果報者だと思う。
美瑛の写真とかおりさんの音楽に私の出会った患者さんの言葉が重なっていく。
繋がっていくいのちの響き、今までの全ての出会いに感謝しています。
<参加者の声>
友人の札幌の看護師さんからの十勝ホスピス大会の感想です。。。
今までの講演会の中で、一番!と思うほど癒されて、素敵なお話でした。
想いと願いが伝わり、もっと多くの方に
聞いて頂きたかったと思いました。
命のバトンはご家族間だけではなく、従事者一人ひとりにも繋がり、種として心に植えられ、成長し、そして予測の出来ない良いエネルギーのサプライズとして20年を経ても、大輪の花を開くという事を学びました。内藤先生が山梨にイギリスから帰って初めて出会ったホスピスケアの看取りの患者さんの娘さんとのコラボレーション!
今は目の前にある、とても困難な現象に戸惑っていてもそれは将来大輪になる為の一つの出来ごとに過ぎず、そして真摯に過ごしてきたからこそ花開くのだとそう勇気付けられたような気がしました。エピソードの数を絞った事も、聞く側にとって聞きやすく、受け取りやすさにつながったように感じました。ありがとうございました。12月の甲府でのホスピス学校には仲間と伺う計画です。再会を楽しみにしています。
(半澤博恵さんより)
十勝ホスピス大会での内藤先生のメッセージ、古屋さんの音、美瑛の写真、感動して震えが止まりません。
ありがとうございました。
(50代男性より)